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ウィーンの路傍 パリの道標 山下祐樹

哲学史、芸術史、そして現代思想へ。

バイエルン、ミュンヘン、光の中へ。
2010年1月28日(木) 23:07 [ 藝術 ]


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昨年末、出向いたミュンヘン。そして講堂へと足を運んだミュンヘン大学。ミュンヘン大学の正式名称は、ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン(Ludwig-Maximilians-Universität München)。バイエルン王国を支配したルートヴィヒおよびマクシミリアンから名を取ったものである。有名なノイシュヴァンシュタイン城もこのバイエルンの賜物であった。バイエルン・ミュンヘンという響きには、その壮大なイメージと共に、ルートヴィヒ2世に挙げられるような時代の裏面にさえ及ぶ奥深い怪しさを感じざるを得ない。

ミュンヘン大学は世界的な宗教哲学の権威でもある。かつてのドイツにおける王国乱立期における政情不安に抗するためのキリスト教信仰の深化や変遷。このことがバイエルンという地に顕著に表れていたといっても過言ではなく、だからこそ学術的な進展が見られたとも考察できるのではないだろうか。

我が師は、ミュンヘン大学でキェルケゴールの実存主義から見た宗教哲学を研究し、同じドイツのゲッティンゲン大学、キェルケゴールが佇んでいた地のコペンハーゲン大学へと学究の道を進めた。

ミュンヘンで私が学んだ宗教学の講義はまさしく一瞬であったが、その受容から生じる高揚感のままに、大学の前に毅然と存在する凱旋門を目にした感動は凄まじく、帰国後の私をキャンバスに向かわせたのであった。「光あるうち光の中を歩め」という題名で描きたいという当初からあった気持ちと重なり、あの絵へと繋がった。偶然か、必然か、題名の由来であるトルストイの同名の小説は、キリストの教えに従って生きよと言う大きな寓意を孕んでいる。

バイエルン、ミュンヘン、光の中への道程。
改めて思い起こすと、感慨深い。



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